製造業で3Dプリンタを使えるの?
3Dプリンタは、製造業の実務には使えない?
最近は、3Dプリンタを個人でも業務でも使う人が増えてきました。一昔前と比べて、3Dプリンタの性能も年々良くなってきており、実用できる場面が多々あると感じます。しかし、未だに3Dプリンタに懐疑的な考えを持っている人もいると思います。
今回は、3Dプリンタってそもそも実務に使えるの? という疑問に答えていきます。

0. 結論
1. 3Dプリンタの種類
1.1 樹脂3Dプリンタ
1.2 金属3Dプリンタ
2. 3Dプリンタを使う目的は、考えすぎて損はない
そもそも、自社で3Dプリンタを使う目的については、極めて深く考える必要がある。工業用の3Dプリンタは樹脂3Dプリンタ、金属3Dプリンタ共に3桁万円をゆうに超えてくる。金属3Dプリンタに限っては1億円超のラインナップが多い。そのため、社内のニーズにそぐわない3Dプリンタを買ってしまうと、多大な損失を抱えかねない。
しかし、社内ニーズに合致したときのパフォーマンスは計り知れない。3Dプリンタを導入して後悔している企業がある一方で、投資利益を十二分に得られている企業が存在していることも確かである。
3Dプリンタの主な利用目的には以下が挙げられる。
・治工具の製作
・開発製品の試作(全体形状や工作性の確認)
・自社製品のモックアップ
・補修部品の製作
3. 3Dプリンタの実用例
3Dプリンタの実用例は、世界各国多数存在する。私が良く情報収集しているWebサイトとして、以下の3Dprinting.comを紹介する。海外のWebサイトではあるものの、広い業界に精通しており、日本の事例紹介もあるので、有益な情報が見つかることだろう。
4. 3Dプリンタを使うために必要になるもの
4.1 機器、ソフトウェア
3Dプリンタで製造するには、3DCADで製作した3Dモデルが必要不可欠である。そのため、PCと3DCADは必須アイテムとなる。
・PC
・3DCAD
金属3Dプリンタを使いこなしたいなら、次に示すような機械が必要となる。
まずは、熱処理炉である。金属3Dプリンティングしたままの造形物は、金属を溶接されたままの状態であり、極めて高い残留応力を内部に蓄えている。この残留応力を開放するために、応力除去熱処理が必要になる。チタンなど、真空熱処理を要する金属には、真空熱処理炉が必要だ。
次に、3Dプリンティングの土台となっている金属板から造形物を切り離すために切断工作機械を使うことになる。バンドソーでもよいし、ワイヤ放電加工機を使っても良い。これは、造形物に求めるサイズ許容差や幾何公差に応じて選択すべきである。
造形物は、切削加工品などと比較して表面が粗い状態にある。場合によっては、ショットブラストやバレル研磨といった研磨装置が必要になるだろう。また、切削加工で仕上げる必要も生じる可能性が高い。
4.2 品質マネジメントシステム
3Dプリンタと前項のものも揃えた。さあ、ものづくりに適用しようと考えるのは早計である。3Dプリンタで製作したものの品質をどのように担保するつもりだろうか。自社製品に求められる品質要求に対して、工作で担保すべき管理要求をしっかり社内規則として落とし込まなければならない。
4.3 人材育成環境
自社内の社員に対する3Dプリンタのリテラシーを高めることも必要不可欠である。3Dプリンタを社内導入したはいいものの、使いこなせる人材が少なく、社内での理解もなかなか得られず、結局3Dプリンタは埃をかぶった状態 という企業を多く見てきた。
どんな機械、道具でもそうだが、人々のリテラシーを高めないと、使いこなそうという機運は生まれない。日本人の悪い習慣として、変化を嫌う傾向にある。特に、大きな企業などは、保守的であり、新しいものに対してアレルギーを持つ人々が多い。
社員のリテラシーを高めないと、社内の壁に阻まれて、関係者が身動きを取りにくくなってしまうことは、往々にして生じてしまう。